

【内容】
金剛鈴(こんごうれい)と金剛杵(こんごうしょ)は、密教寺院で用いられる「法具」です。
「金剛杵」は先鋭な切っ先をもつ強い力の象徴であり、「金剛鈴」は金剛杵を備えたベルで、その発する音は仏の声であり外敵に対しては強い威嚇の音ともなります。
「金剛」はダイヤモンドのように、破壊されることのない堅固な物体を意味し、「金剛鈴と金剛杵」はまさに何者にも壊されることのない、仏の強い力の象徴と言えます。
本号では、種子(梵字)・四天王・鬼面・三昧耶形等、豊富な形式の金剛鈴と金剛杵などを基に「用の美」を考察します。
【掲載図版:「京都・東寺/(国宝)金銅組法具」や、蓋に組法具絵図を描いた「東京国立博物館/黒漆蒔絵経箱」など約130点収録】
第541号 「金剛鈴と金剛杵」
関根俊一(帝塚山大学教授)/執筆
独立行政法人国立文化財機構/監修、至文堂/編集
ISBN:978-4-324-08961-3
主要目次
・口絵(カラー16ページ)
・金剛杵・金剛鈴概観
密教法具としての金剛杵・金剛鈴/金剛杵・金剛鈴の種類と意匠
・古密教の法具―古式三鈷杵と鐃―
・請来された金剛杵・金剛鈴
空海請来の金剛杵・金剛鈴/仏像鈴―明王鈴と天部形鈴―
・和製金剛杵の製作年代に関する試論
・特殊な形式・意味を伴う金剛杵・金剛鈴
種子鈴/三昧耶鈴/五種鈴と五種杵/その他の金剛杵・金剛鈴
・特別寄稿 寺院の地鎮・鎮壇(帝塚山大学客員教授、名誉教授・森郁夫)