

中央集権の国家体制が模索された奈良時代には、地方の把握と支配のために多くの地図(荘園図)が作られました。
本号では正倉院収蔵品を中心として、現存する古代荘園図の多くを掲出し、それらの記載内容を詳細に検討しながら、律令国家と地方行政の実態を解説します。
また、史料的価値のみならず、描写の絵画性、古代人の空間把握法についても詳しく分析します。
宮内庁正倉院事務所保存課調査室員 飯田剛彦/著
ISBN:978-4-324-08730-5
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●正倉院収蔵古代荘園図の現状と伝来
●古代荘園図製作の背景―北陸地方を中心として
●古代荘園図製作の経緯と作業
●古代荘園図の構成要素
●古代荘園図の具体相―製作年次毎の特徴
●東大寺山堺四至図
●附論 個別にみる正倉院収蔵古代荘園図
天平勝宝三年図/天平宝字三年図/天平神護二年図/神護景雲元年図
●図版目録
●参考文献