

武士・町民・農民などの身分制度があった近世、その影響により「住居空間」は多様化されていきました。
客室・台所・寝室等、どこにでもある空間が、それぞれの階層や地域の暮らしぶりに適した形に変化します。
本書では、機能美と構造美に富んだ写真資料に加え、屋敷の配置や「屋敷図」の資料を分析し、それぞれの住まいの在り方、その構造の意図を模索するという、これまでとは違う新しい目線から住宅建築を考察します。
参事官付主任文化財調査官 村田健一/執筆
ISBN:978-4-324-08740-4
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●口絵(カラー16ページ)
●はじめに
●屋敷図を読み解く
・武家:『匠明』所収屋敷図/伊予殿屋敷指図/熊本藩江戸芝下屋敷絵図
・寺院:玉林院/曼殊院
・民家1 農家:黒田家住宅/伊佐家住宅/吉村家住宅/旧鴻池新田会所/門脇家住宅/吉原家住宅
・民家2 町屋:小野家住宅/木幡家住宅/菊屋家住宅
●建築と屋敷構えを観る
・城郭内の住まい:二条城二の丸御殿/名古屋城本丸御殿
・武家等の住まい:黒澤家住宅/若林家住宅/目加田家住宅/口羽家住宅/冷泉家住宅
・庶民の住まい1 農家:坂野家住宅/旧笹川家住宅/馬場家住宅/望月家住宅/片岡家住宅/増田家住宅/中村家住宅
・庶民の住まい2 町屋:
【本陣・脇本陣】旧太田脇本陣林家住宅/旧矢掛本陣石井家住宅
【商家等】石場家住宅/旧緒方洪庵住宅/今西家住宅/後藤家住宅/旧木原家住宅
●まとめ
・近世の屋敷図
・屋敷内の建物構成
・座敷への導線
●参考文献
●図版目録