

「光琳模様」とは、江戸時代に尾形光琳らの琳派から生まれたデザイン様式です。
鳥や花などを単純化したシンプルで親しみやすい模様は、着物や茶器に用いられ、大流行しました。
本号では、小袖・雛形本(当時のファッション誌)・浮世絵・工芸品から、その技法や多彩なモチーフを紹介し、時代を越えて受け継がれている「光琳模様」の魅力に迫ります。
東京国立博物館主任研究員 小山弓弦葉/執筆、編集
ISBN:978-4-324-08733-6
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●はじめに――琳派における光琳模様
●小袖模様雛形本に見る流行の系譜
・光琳模様の出現
・「画本」としての光琳模様雛形本――『当世雛形艶筆八重葎』
・光琳模様の再燃と「光林」ブランド
・江戸時代後期における光琳模様の傾向
●コラム
・光琳模様に用いられた技法
●光琳模様の流布とその背景
・乾山焼の影響
・描かれた光琳模様小袖――西川祐信を中心に
●光琳模様図鑑
●光琳模様の展開
・蒔絵における光琳模様
・染織における光琳模様――小袖模様から芸能衣装へ
・光琳模様と家紋
●まとめにかえて――光琳模様の行先
●附表
・雛形本における光琳模様所出一覧
●附論
・琳派と描絵小袖
●参考文献
●図版目録