

第520号からの正倉院宝物シリーズ4巻も今号で完結となります。
古代、製造・加工の先端技術を傾注し製作されていたもののひとつが、武器・武具・馬具といった軍用品でした。
高度な装飾の施された宝剣をはじめ、刀・鉾・馬鞍など、頑強さと機能美をあわせ持った古代武具類の数々が、正倉院には今も保存されています。
本号ではそれら武具類の優品を掲出し、構造・技法的に解説しながら紹介します。
宮内庁正倉院事務所保存課整理室長 西川明彦/執筆、編集、作図
ISBN:978-4-324-08732-9
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●はじめに
・国家珍宝帳所載の武器・武具
・正倉院に伝存する武器・武具・馬具
●弓箭具
弓/鞆/胡禄/箭
●大刀
・刀身について(鎬造/切刃造/平造)
・外装について(把と鞘の木地の材質/把の構造/鞘の構造/刀装金物)
・大刀の伝来について
●手鉾と鉾
手鉾/鉾
●甲冑
甲
●馬具
鞍橋/鞍褥/したぐら/なめ/鐙/轡/三懸/手綱/腹帯/尾袋/障泥/馬面
●コラム
・唐大刀と唐様大刀
・『延喜式工事解』に見る大刀の製作
・燻革か?染革か?
●特別寄稿
唐代の騎馬・武人の服装について
/宮内庁正倉院事務所保存課整理室員 田中陽子
●参考文献
●図版目録